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特集 転移性脊椎腫瘍の包括的治療
骨軟部悪性腫瘍の脊椎転移に対する術中照射療法
Intraoperative Radiotherapy for Spinal Metastasis of Malignant Musculoskeletal Tumor
山川 聖史
1
,
穂積 高弘
1
,
五嶋 孝博
1
,
近藤 泰児
2
Kiyofumi YAMAKAWA
1
,
Takahiro HOZUMI
1
,
Takahiro GOTO
1
,
Taiji KONDO
2
1がん・感染症センター都立駒込病院整形外科・骨軟部腫瘍科
2多摩総合医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery and Musculoskeletal Oncology, Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Diseases Center Komagome Hospital
キーワード:
骨軟部腫瘍(musculoskeletal tumor)
,
転移性脊椎腫瘍(metastatic spinal tumor)
,
術中照射療法(intraoperative radiotherapy)
Keyword:
骨軟部腫瘍(musculoskeletal tumor)
,
転移性脊椎腫瘍(metastatic spinal tumor)
,
術中照射療法(intraoperative radiotherapy)
pp.1017-1023
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200260
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はじめに
日常診療で遭遇する転移性脊椎腫瘍は,そのほとんどが癌腫を原発としており,報告や文献なども癌の脊椎転移に関する内容がほとんどである.癌の種類によって遠隔転移の好発部位は異なり,さらにその癌自体の罹患率の違いもあるため,われわれが関わる癌の種類には偏りがある12).その中で,ごくまれに肉腫を中心とした骨軟部悪性腫瘍の脊椎転移を経験する場合がある.癌に比べて圧倒的に患者数が少ないうえに,一般的な好発転移部位は肺であるため,骨軟部腫瘍を専門としない一般の整形外科医や脊椎外科医は,滅多に遭遇しないであろう.
そのような状況の中で,転移性脊椎腫瘍に対して術中照射手術を積極的に行っている当院では,症例数は少ないながらも骨軟部悪性腫瘍の脊椎転移に対する手術を経験してきた.そこで,われわれの行っている術中照射療法を紹介しながら,上記の経験症例(脊椎原発を除く)を報告する.
なお,2013年に骨・軟部腫瘍WHO分類の改訂版が出版され,従来のいわゆるmalignant fibrous histiocytoma(MFH)の概念は消失したが,本稿では,診断当時のままMFHという用語を用いるので,ご了承いただきたい1,9,15).
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