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特集 各種頸椎低侵襲手術の限界と適応
頸椎神経根症に対する前方神経根除圧術—適応と限界
Anterior Cervical Root Decompression for Cervical Radiculopathy:Indication and Limitation
原 政人
1
Masahito HARA
1
1稲沢市民病院脳神経外科・脊髄末梢神経センター
1Department of Neurosurgery, Spine and Peripheral Nerve Center, Inazawa Municipal Hospital
キーワード:
経椎体神経根除圧術(transvertebral foraminotomy)
,
経鈎椎神経根除圧術(transunchal foraminotomy)
,
頸椎神経根症(cervical radiculopathy)
Keyword:
経椎体神経根除圧術(transvertebral foraminotomy)
,
経鈎椎神経根除圧術(transunchal foraminotomy)
,
頸椎神経根症(cervical radiculopathy)
pp.782-790
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200206
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はじめに
頸椎椎間板ヘルニアや変形性頸椎症などの頸椎変性疾患において生じる単神経根障害,いわゆる頸椎神経根症に対しては,まずは保存的治療が優先される.しかし,症例によっては症状の改善が乏しく,著しい日常生活障害をきたしていることもある.この場合,手術的治療も考慮されるが,現在の一般外科的な考えでは,スタンダードな外科治療が勧められる.しかし,脊髄症または神経根症など,病態の異なる病変に対して,単一の外科手技に固執することが正しい選択とは思えない.一般的に行われる手術は前方除圧固定術であるが,頸椎の可動域は減少する.私たちは,頸椎神経根症に対しては,多くは前方神経根除圧術を行い,可動性を温存している3,12).前方神経根除圧術も種々の方法が考案されており2,4,5,13,14),病変部位の違いにより理にかなった,より低侵襲な方法を選択することも可能である.
本稿では,私たちが主に行っている経椎体神経根除圧術(transvertebral foraminotomy)4,15)と,状況に応じて使い分けている経鈎椎神経根除圧術(transunchal foraminotomy)5)の実際を示すとともに,手術の適応と手術中のオリエンテーションの確保,利点と限界について述べる.
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