Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
頚椎神経根症の手術手技
Surgical Technique of Cervical Radiculopathy
原 政人
1
,
西村 由介
1
Masahito HARA
1
,
Yusuke NISHIMURA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科脳神経外科
1Department of Neurosurgery,Nagoya University Graduate School of Medicine
キーワード:
anterior cervical spinal surgery
,
transvertebral approach
,
transuncal approach
,
posterior foraminotmy
,
radiculopathy
Keyword:
anterior cervical spinal surgery
,
transvertebral approach
,
transuncal approach
,
posterior foraminotmy
,
radiculopathy
pp.331-343
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101397
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Ⅰ.はじめに
頚椎神経根症の手術をするにあたって念頭に置かなければならないこととして,神経根症状を発症した多くの症例で経時的に症状が軽快することである.頚椎神経根症に対し,投薬すら行わずに自然経過を観察したという報告(本当の意味でのnatural history)は,これまでにはみられないが2),腰椎神経根症同様,約8割の症例で症状が消失もしくはほぼ消失するとの報告は散見される17).したがって,神経根症の治療では,以下のことを念頭に置くべきである.急性期と言われる1カ月間は少なくとも保存的治療(薬物療法,装具療法など)を行うことが勧められる.例外として,筋力低下が著しい場合や,痛みが重度で日常生活がまったく成り立たない場合は手術を勧めて間違いないと考える.一般的に手術治療を考慮するのは,亜急性期と言われる1カ月から3カ月の間である.慢性期である3カ月を超えてなお神経症状を認める場合には手術治療を勧める.手術を勧めるにあたっては,神経学的高位診断と画像所見が一致し,手術によって神経症状の改善もしくは消失の可能性が極めて高くなければならない.
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