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特集 各種頸椎低侵襲手術の限界と適応
顕微鏡下頸椎前方手術—いかに低侵襲に行うか
Microscopic Anterior Cervical Approaches:How to Perform Less Invasively ?
高安 正和
1
Masakazu TAKAYASU
1
1愛知医科大学脳神経外科・脊椎脊髄センター
1Department of Neurological Surgery, Spine Center, Aichi Medical University
キーワード:
頸椎前方手術(anterior cervical surgery)
,
顕微鏡下手術(microsurgery)
,
低侵襲(minimally invasive)
Keyword:
頸椎前方手術(anterior cervical surgery)
,
顕微鏡下手術(microsurgery)
,
低侵襲(minimally invasive)
pp.776-781
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200205
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はじめに
頸椎前方アプローチは脊椎脊髄外科医にとって最も基本的な手術の1つである.そもそも1〜2椎間の頸椎前方アプローチでは,皮膚の皺に沿った3〜4cmの横切開で行うことが可能なため美容的に問題となることは少なく,筋肉の剝離も最小限で済むので術後の創部痛や軸性疼痛も少なく,現状においてそれ自体で十分に低侵襲な手術手技といえる.また,最も基本的な前方除圧固定術(Smith-Robinson法)3)のみでなく,corpectomy2)やWilliams-Isu法1,6),さらに固定せず除圧のみを行うkey-hole foraminotomy9)といった手術手技のバリエーションが豊富であるためさまざまな病変に対応することが可能であり,高い患者満足度を得ることができる4).一方,頸椎前方には気管・食道,頸動静脈,甲状腺,反回神経などの重要な組織が充実性に存在し,同じ前方アプローチでも腹腔や胸腔などの腔のある胸腰椎とは異なる.ここでは,1層ずつ直視下に丁寧な剝離を心がけ,重要組織を損傷しないことが重要となる.本稿では,顕微鏡下頸椎前方手術をより低侵襲に行う方法について述べる.
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