Japanese
English
特集 上位頸椎疾患に対するアプローチ—病態・診断・治療
上位頸椎前方進入法の留意点
Surgical Points of the Anterior Approaches for the Upper Cervical Spine
高安 正和
1
Masakazu TAKAYASU
1
1愛知医科大学医学部脳神経外科
1Department of Neurological Surgery, Aichi Medical University
キーワード:
上位頸椎
,
upper cervical spine
,
前方進入法
,
anterior approach
,
手術手技
,
surgical technique
Keyword:
上位頸椎
,
upper cervical spine
,
前方進入法
,
anterior approach
,
手術手技
,
surgical technique
pp.166-172
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201066
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はじめに
ここでは上位頸椎を,C2/3椎間板を含め,これより頭側で,斜台下端までと定義する.表 1には頭蓋頸椎移行部手術の筆者の経験を示す.大きく除圧術と固定術に分類されるが,大半は後方からのアプローチである5.6).上位頸椎硬膜内病変では,脊髄の前方病変であっても硬膜内の比較的広いスペースを活用することで,多くは後方,あるいは後側方からの到達が可能である.一方,硬膜外・脊髄前方病変に対しては前方からのアプローチが必要となる8).本稿では,病態や診断はほかに譲ることとし,主に各種手術アプローチの適応と手術の留意点について述べる.上位頸椎前方進入法としては,図 1に示す4種のアプローチが代表的である.それぞれの上位頸椎前方進入法では,進入経路に咽頭をはじめ頸動脈,椎骨動脈などの重要な組織があるため特別な配慮が必要となり,手術適応は十分に絞り込むことが大切である.①病変により神経症状を呈すること,②最大整復位においても画像上,脊髄の前方からの圧迫が解除されないこと,③腫瘍などの進行性に増大する病変,などが手術適応を考慮する条件となる.ただし,不安定性に伴う歯突起後方偽腫瘍では固定することで病変の縮小が期待できるため,早期の除圧が必要な場合を除き後方固定が優先される.
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