特集 各種頸椎低侵襲手術の限界と適応
特集にあたって
高安 正和
1
1愛知医科大学脳神経外科・脊椎脊髄センター
pp.775
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200204
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今月号の特集のテーマは「各種頸椎低侵襲手術の限界と適応」であるが,このテーマは本誌の編集委員を昨年退任された福井大学名誉教授の馬場久敏先生の企画案を引き継いだものである.
さて,頸椎手術はminimal invasivenessから広範な前後合併手術,頭蓋骨から胸椎までを含む固定術など多岐にわたる.患者サイドからは,低侵襲でしかも愁訴の改善が得られる手術を望むのは当然のことであろう.しかし,最近の某大学病院での腹腔鏡手術での相次ぐ死亡例からも明らかなように,安全性を犠牲にした低侵襲手術は成り立たない.頸椎手術においても低侵襲性を謳った手技がいくつも提唱されている.頸椎手術の多くは変性疾患を対象とし機能改善を目的とした手術であるため,症状の改善を得て患者さんに長期的に満足してもらうことが最終目標となるが,低侵襲性ももちろん重要な要素となる.本特集では,頸椎低侵襲手術の術式について経験豊富な先生に手技のポイントと限界を述べていただき,最も適切な手術適応についてのご意見をいただいた.
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