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Spine & Spinal Cord Volume 28, Issue 4 （April 2015）

脊椎脊髄ジャーナル 28巻4号（2015年4月発行）

Japanese English

特集脊椎脊髄の冠名徴候・症候群

Ⅱ．冠名症候群

Foix-Alajouanine症候群 Foix-Alajouanine syndrome—Diagnosis and Treatment 濱田晋輔 ^1,2 , 森若文雄 ^1,2 , 田代邦雄 ^1,2 Shinsuke HAMADA ^1,2 , Fumio MORIWAKA ^1,2 , Kunio TASHIRO ^1,2 ¹北祐会神経内科病院 ²北海道神経難病研究センター ¹Hokuyukai Neurological Hospital キーワード： Foix-Alajouanine症候群（Foix-Alajouanine syndrome） , 亜急性壊死性脊髄炎（subacute necrotizing myelitis） , 脊髄硬膜動静脈瘻（spinal dural arteriovenous fistula） Keyword: Foix-Alajouanine症候群（Foix-Alajouanine syndrome） , 亜急性壊死性脊髄炎（subacute necrotizing myelitis） , 脊髄硬膜動静脈瘻（spinal dural arteriovenous fistula） pp.398-400

発行日 2015年4月25日 Published Date 2015/4/25

DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200119

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参考文献 Reference

概念・定義

　Foix-Alajouanine症候群（以下，FAS）は，1926年，Charles Foix（1882-1927）とThéophile Alajouanine（1890-1980）により亜急性壊死性脊髄炎（La myélite nécrotique subaiguë）として報告された^2）．脊髄内・外血管の何らかの原発性形成異常と続発する脊髄実質障害とされ，その主体は炎症ではなく，血管奇形が原因と考えられている^5）．剖検例および脊髄血管造影による検討により，①動静脈短絡路が硬膜外で認められ，②下部胸髄から腰仙髄にかけて静脈の拡張と蛇行を認め，③静脈のうっ滞による二次性の脊髄実質の虚血，そして壊死を認める^4）．現在では，arteriovenous malformation（AVM）の特殊なタイプとも考えられ，特にspinal dural arteriovenous fistula（SDAVF）に関しては，その病因として関連が強く疑われている^1）．きわめて特徴的な臨床経過および徴候により，典型的なものに関しては，その現病歴，臨床神経所見より診断が可能と考えられる．原著を含め，進行性の重篤化する疾患とされるが，早期に病変の検索を進め，治療に結びつけることにより，進行を停止，改善することも可能な疾患であり，まず鑑別としてFASを疑うことが重要である^3）．