Japanese
English
研究と報告
精神症状を呈したFoix-Alajouanine病の1例
A Case of Foix-Alajouanine's Disease with Psychic Symptoms
武内 義哲
1
,
岩瀬 正次
1
,
川島 保之助
1
,
小林 宏
2
,
小阪 憲司
2
,
柴山 漠人
2
Yoshiaki Takenouchi
1
,
Shoji Iwase
1
,
Yasunosuke Kawashima
1
,
Hiroshi Kobayashi
2
,
Kenji Kosaka
2
,
Hiroto Shibayama
2
1守山荘病院
2名古屋大学医学部精神医学教室
1Moriyamaso Mental Hospital
2Dept. of Psychiatry, Nagoya Univ. School of Medicine
pp.779-784
発行日 1974年9月15日
Published Date 1974/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202218
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I.はじめに
1926年Foix & Alajouanine2)は広汎な脊髄の壊死ないし軟化をきたす原因不明の疾患群の中から病初期には痙性,次いで弛緩性となる筋萎縮性対麻痺と知覚障害を呈し,ついには全知覚脱失,脊髄液の蛋白細胞分離などを示し1〜2年の経過で死亡した症例を報告し,独立疾患として区別した。
爾来,類似の症状を示す報告例3,8)が散見されるようになったが稀な疾患であり,本邦においては平山の解説6,7)がみられるものの記載例はきわめて少なく12〜14),他の疾患との鑑別も問題にされている18)。また,それらの報告例は主として組織病理学的立場から論じられたものであり,臨床症状についてはあまり詳細にふれられておらず,精神症状を呈した症例は内外の文献を通じて見当らない。
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