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特集 脊髄血管障害
亜急性壊死性脊髄炎(Foix-Alajouanine)
Subacute necrotic myelitis (Foix-Alajouanine)
桶田 理喜
1
Riki OKEDA
1
1東京医科歯科大学医学部病理学教室
1Department of Pathology, Tokyo Medical & Dental University
pp.525-535
発行日 1974年6月10日
Published Date 1974/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903635
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この病名は1926年FoixとAlajouanineがこの疾患の2症例を報告した際に初めて使用されたものであるが,現在では彼らの報告した疾患の本態は脊髄炎ではなくて脊髄の血管形成異常とそれに続発した脊髄の変性・壊死であるとされ,この立場からはこの名称は適当なものではなく,現在はScholzらの提唱したところの"Angiodysgenetische nekrotisierende Myelopathie"(以後ANMと略記)あるいは単にFoix-Alajouanine病(F-A病と略記)の名が一般に用いられていることをまず述べておきたい。
この疾患の病態についてさらに具体的に述べれば,クモ膜下腔で胸髄中部,時には頸髄下部から仙髄までの長い範囲にわたる表面の静脈および根神経に沿う静脈が拡張・蛇行し静脈瘤様あるいはAngioma racemosum venosumとなり,その程度は下部胸髄から仙髄の範囲にとくに著しく,この範囲の脊髄の灰白質ならびに白質,なかんずく,後索と側索の変性,壊死を来たした状態で,Angioblastomaや動静脈瘤(以後A-V奇形と略記)など明らかな原因によるものを除外したものをANMまたはF-A病と名づけている。
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