Soto-Hallテスト

Soto-Hall Test

　1935年にRalph Soto-Hallが報告した，仰臥位で頸椎を屈曲することによる脊椎外傷の検査法^1）．

　Soto-Hallテストでは，患者を診察台の上に枕を外して仰臥位で寝かせる．胸椎，腰椎が屈曲しないように，医師は片手を患者の胸骨に置き軽く圧迫する．同時に，医師は他方の手を患者の後頭下に置き，ゆっくりと持ち上げ強制的に頭部と頸部を胸骨の上まで屈曲させる（図1）．この操作により，項靭帯から尾側の損傷脊椎の棘上靭帯，棘間靭帯まで脊椎後方靭帯群に次第に牽引力がかかる．牽引力は棘突起に伝わり，損傷した椎体を圧迫する梃子として働く（図2）．その結果，圧迫骨折や棘突起が骨折しているときに損傷した椎体の高位に限局した痛みを引き起こす．そして患者は明確に痛みの局在を訴える．