雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Spine & Spinal Cord Volume 28, Issue 3 （March 2015）

脊椎脊髄ジャーナル 28巻3号（2015年3月発行）

Japanese English

特集「偽性局在徴候」からみた脊髄・馬尾・神経根症状

頸椎疾患による上肢帯麻痺 Shoulder Girdle Paralysis Caused by Cervical Lesions 田中靖久 ¹ Yasuhisa TANAKA ¹ ¹公立学校共済組合東北中央病院整形外科 ¹Department of Orthopaedic Surgery, Tohoku Central Hospital of the Mutual Aid Association of Public School Teachers キーワード：頸部神経根症（cervical radiculopathy） , 頸部脊髄症（cervical myelopathy） , 上肢帯麻痺（shoulder girdle paralysis） Keyword: 頸部神経根症（cervical radiculopathy） , 頸部脊髄症（cervical myelopathy） , 上肢帯麻痺（shoulder girdle paralysis） pp.173-178

発行日 2015年3月25日 Published Date 2015/3/25

DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200044

PDF(3903KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
参考文献 Reference

はじめに

　三角筋の重度の筋力低下を主症状とする上肢帯の麻痺例では，肩の挙上が困難となって，物の上げ下ろし，衣服の着脱，洗髪，あるいは食事といった日常の生活動作に甚大な障害をもたらす（図1）．その原因として，頻度の高いものに頸椎の変性疾患すなわち神経根症と脊髄症が挙げられる．一方，肩の挙上困難は腱板断裂あるいは肩関節周囲炎といった肩関節そのものの疾患でもきたし得る．本稿では，上肢帯麻痺をきたした神経根症，脊髄症さらに両者の合併例を提示する．それぞれに特徴的な症候を知り，頸椎の異なる疾患の間での，あるいは頸椎以外の疾患との鑑別に役立てていただければ幸いである．