頸部脊髄症に対する内視鏡下椎弓形成術（CMEL）

Cervical Microendoscopic Laminoplasty for Cervical Myelopathy

はじめに

　腰椎椎間板ヘルニアに対するmicroendoscopic discectomy，いわゆるMED法^2,7）が報告されて以来，円筒型レトラクターと硬性斜視鏡を用いたMED手術は，特に本邦において専用の手術器械の開発や光学機器・手術器械の改良により，さまざまな脊椎変性疾患に対する低侵襲除圧法として応用されるようになった．現在では腰椎椎間板ヘルニア以外にも広く応用され，適応される病態や疾患としては，外側ヘルニア^3）をはじめ，腰部脊柱管狭窄症^4,8,30），椎間孔部（外）狭窄^12,14,27），胸椎黄色靭帯骨化症，頸部脊髄症^{6,10,11,13,19,20,25,26,28）}，頸部神経根症^1,9,20）などが挙げられる．しかし，MED法による除圧は，対象となる疾患の病態によっては適応がない場合や制限のある場合があり，従来法と比較すると限界が存在するのも事実である．本稿では，このMED手術を頸部脊髄症に応用したcervical microendoscopic laminoplasty（CMEL）の除圧の概念，合併症と対策，適応の拡大と限界などにつき解説する．