Japanese
English
特集 「偽性局在徴候」からみた脊髄・馬尾・神経根症状
頸椎病変でありながら,腰椎病変と誤診された症例
Cases of Cervical Degenerative Disease Misdiagnosed as Lumbar Lesion
本多 文昭
1
,
花北 順哉
2
,
高橋 敏行
2
Fumiaki HONDA
1
,
Junya HANAKITA
2
,
Toshiyuki TAKAHASHI
2
1群馬大学医学部脳神経外科
2藤枝平成記念病院脊髄脊椎疾患治療センター
1Department of Neurosurgery, Gunma University Graduate School of Medicine
キーワード:
頸椎変性疾患(cervical degenerative disease)
,
臨床症状(clinical features)
,
偽性局在徴候(pseudolocalizing sign)
Keyword:
頸椎変性疾患(cervical degenerative disease)
,
臨床症状(clinical features)
,
偽性局在徴候(pseudolocalizing sign)
pp.179-184
発行日 2015年3月25日
Published Date 2015/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200045
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はじめに
頸椎症,頸椎椎間板ヘルニア,頸椎後縦靭帯骨化症などの頸椎変性疾患は,圧迫性病変による脊髄の機械的圧迫とその周囲の循環障害が頸部脊髄症の病態の本質と考えられている.これらの疾患では,圧迫による障害はまず脊髄中心部に出現し,その後周辺部に広がり後側索部から前側索部に波及して同時に頭尾側方向に出現すると考えられており1),圧迫病変の高位により上下肢知覚障害や運動障害,しびれなどが多様なパターンで出現する.
このような背景の下,頸椎圧迫病変による頸髄症では,ときに下肢症状から発症する症例に遭遇することがある.われわれが経験した症例では,下肢症状から発症したがために当初腰椎疾患と判断され,腰椎硬膜外ブロック治療まで施された症例も認められた.本稿では,下肢症状から発症した頸椎変性疾患について,その臨床的特徴や腰椎疾患と診断された要因について自験例を検討しながら解説する.
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