Japanese
English
特集 椎間板と痛み
椎間板変性の疫学—一般住民コホート調査の結果より
Epidemiology of the Intervertebral Disc Degeneration—The Wakayama Spine Study
橋爪 洋
1
,
寺口 真年
1
,
吉村 典子
2
,
吉田 宗人
1
Hiroshi HASHIZUME
1
,
Masatoshi TERAGUCHI
1
,
Noriko YOSHIMURA
2
,
Munehito YOSHIDA
1
1和歌山県立医科大学整形外科
2東京大学22世紀医療センター関節疾患総合研究講座
1Department of Orthopaedic Surgery, Wakayama Medical University
キーワード:
椎間板変性(intervertebral disc degeneration)
,
疫学(epidemiology)
,
一般住民コホート(population-based cohort)
,
腰痛(low back pain)
Keyword:
椎間板変性(intervertebral disc degeneration)
,
疫学(epidemiology)
,
一般住民コホート(population-based cohort)
,
腰痛(low back pain)
pp.14-18
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200004
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はじめに
椎間板変性を含む脊椎加齢変性疾患の疫学的指標,すなわち有病率,画像所見との関連,自然経過,発症の危険因子などを知ることは,臨床上きわめて有用である.さらに,椎間板変性は脊椎加齢変性疾患のトリガーであると同時に,頸部痛/腰痛の原因であるといわれる.しかしながら,日常診療で遭遇する患者はすでに何らかの臨床症状を発症したものであることから,一般住民における椎間板変性の頻度と高位分布,臨床症状との関連については不明の点が多くあった.われわれは,東京大学が中心となり設立した大規模コホート研究Research on Osteoarthritis Against Disability(ROAD)12)のサブコホートとして,2008年から和歌山県内2地域の住民を対象に脊椎加齢変性疾患の疫学調査The Wakayama Spine Study(WSS)を開始した.WSSの特徴は,ROADの基本的調査項目12に加えて,ベースライン調査で約1,000名の住民に対し脊椎疾患に関連する詳細な問診と診察,全脊柱MRIを実施したことである.今回,WSSベースラインデータの横断的分析から得られた椎間板変性に関する知見を述べる.
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