Japanese
English
誌上シンポジウム 慢性腰痛のサイエンス
腰痛の疫学—The Wakayama Spine Studyから得られた知見
Epidemiology of Low Back Pain from The Wakayama Spine Study
寺口 真年
1
,
橋爪 洋
2
,
山田 宏
2
,
吉村 典子
3
,
吉田 宗人
4
Masatoshi TERAGUCHI
1
,
Hiroshi HASHIZUME
2
,
Hiroshi YAMADA
2
,
Noriko YOSHIMURA
3
,
Munehito YOSHIDA
4
1和歌山県立医科大学附属病院紀北分院脊椎ケアセンター
2和歌山県立医科大学整形外科教室
3東京大学22世紀医療センターロコモ予防学講座
4角谷整形外科病院
1Spine Care Center, Wakayama Medical University Kihoku Hospital
2Department of Orthopaedic Surgery, Wakayama Medical University
322nd Century Medical and Researh Center, The University of Tokyo
4Sumiya Orthopaedic Surgery Hospital
キーワード:
腰痛
,
low back pain
,
椎間板変性
,
disc degeneration
,
終板変化
,
endplate change
,
シュモール結節
,
Schmorl node
Keyword:
腰痛
,
low back pain
,
椎間板変性
,
disc degeneration
,
終板変化
,
endplate change
,
シュモール結節
,
Schmorl node
pp.1125-1131
発行日 2017年12月25日
Published Date 2017/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200972
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The Wakayama Spine Study(WSS)は大規模コホート研究ROAD(Research on Osteoarthritis Against Disability)studyのサブコホートとして,脊椎疾患の疫学データを報告してきた.本稿は腰痛の疫学として,椎間板および周囲のMRI変化と腰痛に関して述べる.腰椎にT2強調矢状断像で低信号変化した椎間板変性を1つでも有する場合は,有意に腰痛を有する結果であった(オッズ比1.57).しかしながら椎間板変性,終板変化,そしてSchmorl結節を各画像単独で検討すると有意な関連がみられなかった.一方,画像変化がすべて組み合わさると,画像変化がない場合と比べて有意に腰痛が生じていることがわかった(オッズ比2.17).以上から,椎間板変性および周囲の変化は組み合わせることによって腰痛との関連があることがわかった.
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