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特集 脊椎脊髄イメージングの進歩と話題の疾患
MRIを用いた椎間板の定量的評価
Quantitative MR Imaging of Intervertebral Discs
桂 正樹
1
Masaki KATSURA
1
1東京大学医学部放射線科
1Department of Radiology, The University of Tokyo
キーワード:
椎間板変性(intervertebral disc degeneration)
,
定量的評価(quantitative analysis)
Keyword:
椎間板変性(intervertebral disc degeneration)
,
定量的評価(quantitative analysis)
pp.871-879
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200460
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はじめに
MRIを用いた椎間板変性の診断については,現状,T1強調画像やT2強調画像などの一般的なルーチンMRI撮像法を用いて椎間板の形態や信号強度を視覚的・定性的に評価する手法が主体である.しかしながら,椎間板内の信号強度異常の検出に関しては,信号強度自体に定量性がないこともあり,必ずしも鋭敏ではない.このため,形態異常や明らかな信号強度異常が出現する以前の,早期に発生する椎間板変性を詳細に評価することは困難であった.これに対し近年,椎間板の組成や構造の変化などを定量的に評価可能なMRI撮像法が広く臨床応用されつつある.これらの定量的MRI撮像法は,一般的なルーチンMRI撮像法と組み合わせて用いることにより,従来困難であった椎間板変性の早期診断や変性度の定量的評価に有用な方法として期待される.本稿では,椎間板の解剖学的・生化学的特徴を概説した後,椎間板変性を定量的に評価するための代表的なMRI撮像法を紹介する.
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