Japanese
English
特集 椎間板と痛み
椎間板由来の痛みの診断
Diagnosis of Discogenic Low Back Pain
大鳥 精司
1
,
折田 純久
1
,
山内 かづ代
1
,
稲毛 一秀
1
,
西能 健
1
,
高橋 和久
1
Seiji OHTORI
1
,
Sumihisa ORITA
1
,
Kazuyo YAMAUCHI
1
,
Kazuhide INAGE
1
,
Takeshi SAINOH
1
,
Kazuhisa TAKAHASHI
1
1千葉大学大学院医学研究院・整形外科学
1Department of Orthopedic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University
キーワード:
腰痛(low back pain)
,
椎間板(intervertebral disc)
,
感覚神経(sensory nerve)
Keyword:
腰痛(low back pain)
,
椎間板(intervertebral disc)
,
感覚神経(sensory nerve)
pp.33-40
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200009
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はじめに
非特異的腰痛には,ぎっくり腰,筋膜性,椎間板性,椎間関節性,神経根性などが含まれる.慢性腰痛患者へのブロック注射から得られた知見からは,疼痛発生部位の可能性として,椎間板の可能性39%,椎間関節の可能性15〜32%,仙腸関節の可能性13〜18.5%と報告された14).1980年代後半から免疫組織学的手法の発展により椎間板支配神経が同定され,それらが疼痛伝達に重要な神経伝達物質をもった感覚神経線維であることの報告が相次いだ.さらに1995年に入り,椎間板からの神経伝達の経路が徐々に解明された.また,椎間板内のさまざまなサイトカインや神経発芽誘導物質が同定された(図1).椎間板性腰痛を考えるうえで重要なのは,①innervation:感覚神経支配が存在すること,②inflammation:その感覚神経を感作する因子が存在すること,③hypermobility:不安定性があること,である2).しかしながら,椎間板性腰痛の診断方法はいまだ確立されているとはいいがたい.本稿では,文献的考察を含め,われわれが行っている椎間板性腰痛の理学所見,診断方法について記載したい.
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