Japanese
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研究
がん終末期に携わる作業療法士が感じる困難に関する検討—小児と成人の困難の比較から導く,小児がんに携わる作業療法士に必要とされる視点
A study of difficulties felt by occupational therapists working in the terminal phase of cancer: Perspectives necessary for occupational therapists working in the childhood cancer, derived from a comparison of difficulties in children and adults
蓮川 嶺希
1
,
鈴木 朋代
2
,
深澤 聡子
1
,
上出 杏里
3
,
髙橋 香代子
4
Miki Hasukawa
1
,
Tomoyo Suzuki
2
,
Satoko Fukazawa
1
,
Anri Kamide
3
,
Kayoko Takahashi
4
1国立成育医療研究センター
2訪問看護ステーションありてい
3国立成育医療研究センター
4北里大学
キーワード:
小児がん
,
終末期
,
作業療法
Keyword:
小児がん
,
終末期
,
作業療法
pp.75-83
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203664
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Abstract:本研究の目的は,がん終末期の小児と成人に携わる作業療法士が感じる困難を比較し,小児の困難の特有さとその要因を明らかにすることである.方法は,小児がん拠点病院等122施設,がん拠点病院121施設に勤務する作業療法士にアンケートを実施し,単純集計および質的分析を行った.分析対象は小児を担当する作業療法士28名と成人を担当する作業療法士35名であり,小児担当者のほうががん終末期に携わった経験が少なく,介入時期も予防〜回復期と早期の介入が多かった.またリッカード尺度を用いた質問やラベル数の比較から,小児担当者のほうが精神的葛藤や心理的負担が強いことがわかった.困難の因子から,小児担当者は経過の中で子どもの成長発達や希望を実感するとともに,本来死ぬべきでない子どもの死を受け入れる過程があるために,一層精神的葛藤が強まると推察された.しかし最期までその子や家族らしさを支えるためには,子どもの成長発達や希望,家族の想いを捉えることが作業療法士に必要な視点であると思われた.
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