Japanese
English
研究
小児がん終末期に携わる作業療法士が感じる困難と対応に関する質的検討
A qualitative study on difficulties and responses felt by occupational therapists working in the terminal phase of childhood cancer
蓮川 嶺希
1
,
鈴木 朋代
2
,
深澤 聡子
1
,
上出 杏里
1
,
髙橋 香代子
3
Miki Hasukawa
1
,
Tomoyo Suzuki
2
,
Satoko Fukazawa
1
,
Anri Kamide
1
,
Kayoko Takahashi
3
1国立成育医療研究センター
2訪問看護ステーションありてい
3北里大学
キーワード:
小児がん
,
終末期
,
作業療法
Keyword:
小児がん
,
終末期
,
作業療法
pp.1377-1384
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203231
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Abstract:本研究の目的は,小児がん終末期に携わるOTが,何に困難を感じ,どのように対応をしているのか明らかにすることである.全国の小児がん拠点病院等122施設のOTにアンケート調査を実施し,単純集計およびKJ法に基づく質的分析を行った.51名から回答を得,うち54%が小児がん終末期への作業療法をよく,または時々実施していた.困難は「OT自身の精神的葛藤」,「知識・経験不足」が多く,対応には「多職種との協働」,「作業療法実施上の工夫」,「対応できていない」等が挙げられた.小児がんは希少で個別性が高いため経験が積み重なりにくく,過去の経験を知識や対応に汎化させていくことが難しいと考えられた.またOTは子どもの成長と発達に寄り添い,希望の実現を図ると同時に,子どもの死と向き合わなければならず,心理的な負担も生じやすいと推察された.対応として小児がんや終末期に関する教育や情報共有の機会の充実,心理的なケアの必要性が示唆された.
Copyright © 2022, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.