わたしの大切な作業・第69回
家事が好き
綾戸 智恵
pp.1
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203643
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どういう訳か私は家事が好きや。だから「年末の大そうじ」はしたことがなく、友人が来ても「新しいシステムキッチン?」と言われるけどもう10年程になる。そんなに家事が好きなの? いやいや実は片付いてると心地よくて色んなたくさんの事ができる、お得な感じがするのよ。7歳のとき洗い物を終えた母が「残しといたで」と渡すのが焦げた鍋だ。私はゴシゴシとしてピカピカになると母が「できたなっ!」と褒めてくれる。にんまりや。
そんな私は40歳でデビュー。ステージ等で外出が増えたけど、まあそこは私や。会社中をふり回しながらも何とかやってきた。そしてコロナ。ステイホームで逆に家事やり放題!イエーィ。けど友人にも会えず、そこはやっぱり辛かった。そして3年がすぎ、コンサートもゆっくりだけど再開し始めた。そう、ここからが本文。作業のことですよね。実は、大好きな家事なのに床に落とした鍋つかみが拾えない、洗濯物を干しに2階へ上がれない、変形性股関節症だ。私は今人生で新しい作業に夢中や。それはリハビリ。大好きな家事をこなすためのリハビリ、生きがいのためのリハビリ、大切だ。そして音楽なんだけど、私は66歳になり指のこわばりや音域の狭まりもあるのに、ピアノや歌が実に楽しい! 何だこれ。辛口のプロデューサーにも最近良いなぁと言われる。間がとりやすく、いや、とにかくリラックスできて歌が寄り添うようについてくる。ピアノは弾きすぎず、弾くというより奏でる? そんな感じかなぁ。とにかくコンサート来てくださーい。
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