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編集後記
江藤 文夫
pp.1214
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203179
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新型コロナウイルス感染症の大流行により,社会活動に制約がもたらされ,外出時にはほぼ全員がマスクを着用するようになった.しかし,流行が2年余にわたると社会活動の制約は海外との交流を含めて緩和せざるを得なくなり,大流行の波に出会う可能性は高まる.本誌第56巻では,この感染症と作業療法について2度の特集が組まれ,本号は長期化したWithコロナ時代の作業療法についてである.
感染流行が長期化してコロナ禍と称されるほどの時代に,医療の現場や,介護と保育も含めて在宅支援の現場から,スタッフや対象者が感染への対処法に苦労しながら,活動を継続してきた体験が語られている.そこではさまざまな会議の開催や対面での活動への制約が契機となり,リモート技術が利用され,普及するに至った.個々には,オンラインでの対話は,実際の対面でのコミュニケーションとは異なり,明確に意識はされないが不満足感が残ることもあったようである.面会禁止を嫌い,病院や施設ではなく自宅での終末期ケアを選択する方も増えたそうである.一方で,リモート技術の活用で充実した集会が実現して,新しい時代を感じさせる活動も紹介されている.障害者雇用の現場からは,直接的な感染流行の影響は事業形態により異なり,雇用拡大を達成する課題があらためて認識された.
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