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編集後記
江藤 文夫
pp.1272
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200063
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おしゃれを楽しむことは日常の活動である.人それぞれにイメージが膨らむが,現代では個性の表現として理解することが一般的であろう.洒落という漢字表記を思い出すと,ちょっと複雑な気分になるが,今月は洒落た特集である.服装,髪型,化粧等が洒落ていることがおしゃれである.衣服や化粧の歴史も興味深いものがある.化粧に関しては,メイクと呼ぶことが普及しているが,ヨーロッパでは英国女王エリザベス1世の入念な白粉が有名で,まさに「つくり上げる」といった感じである.
衣服の選択は化粧と髪型と一体となって,おしゃれの基本要素である.わが国で障害者の衣服に関する初めてのファッションショーが開催されたのは1968年(昭和43年)の身障友の会による「服装研究発表会」のことと紹介されている.当事者自らが企画し,参加したイベントだったという.わが国では障害者に限らず,個人の主張は控える文化のように思われてきたが,江戸時代後半の風俗をみると,庶民も個性の表現を競ったようである.世界に先駆けて,江戸,京,大坂では庶民向けの化粧品店が開店していた.
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