増刊号 脳卒中の作業療法 最前線
第3章 支援技術Ⅱ 急性期から回復期の個別性を重視した介入(事例報告)
4 —上肢機能へのアプローチ⑤上肢用ロボット型運動訓練装置—脳卒中患者に対する上肢練習支援ロボットの練習効果と作業療法士の役割
大西 斉
1
,
宮坂 裕之
2
Hitoshi Ohnishi
1
,
Hiroyuki Miyasaka
2
1藤田医科大学岡崎医療センター
2藤田医科大学七栗記念病院
pp.888-891
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202630
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はじめに
欧米では1990年代からMassachusetts Institute of Technology(MIT)を中心に多種多様なロボットが,脳卒中患者に対するリハにおいて発展している1).近年の報告では上肢練習支援ロボットを使用したリハで上肢機能や筋力が改善したと述べられている2〜4).一方で,Action Research Arm Test等によるの上肢の操作性(upper limb capacity)に関する検証では有益な効果がない3).American Heart Association/American Stroke Associationのガイドライン5)では,脳卒中後の上肢麻痺に対するロボット療法はエビデンスAであり,実施が強く推薦されている.本邦では2020年(令和2年度)の診療報酬改定で「運動量増加機器加算」が月1回150点,算定することが可能となった.
本稿では上肢練習支援ロボットの特徴や練習効果について述べる.加えて,OTの役割を解説する.
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