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特集 脳卒中下肢機能の徹底改善
脳卒中患者の歩行障害に対する練習支援ロボットの活用
Application of robotic devices for gait disorder in individuals with hemiparetic stroke
井元 大介
1
,
平野 哲
2
,
大高 洋平
2
Daisuke Imoto
1
,
Satoshi Hirano
2
,
Yohei Otaka
2
1藤田医科大学病院リハビリテーション部
2藤田医科大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
1Department of Rehabilitation, Fujita Health University Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine I, School of Medicine, Fujita Health University
キーワード:
脳卒中
,
歩行
,
リハビリテーションロボット
Keyword:
脳卒中
,
歩行
,
リハビリテーションロボット
pp.145-151
発行日 2023年2月10日
Published Date 2023/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202743
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脳卒中患者の歩行練習
脳卒中患者における歩行障害は,日常生活活動や社会参加を制限する主要な障害で,その後の生活に大きな影響を及ぼす1).具体的には,回復期リハビリテーション病棟退院後に,在宅復帰した患者の約6割は歩行が自立していたが,在宅復帰できなかった患者の中で歩行が自立していた者は3割にも満たず,歩行能力が在宅復帰に影響を与えることが示されている2).そのため,脳卒中患者の歩行障害を改善することは,リハビリテーション治療の主たる目標となる.
脳卒中患者のリハビリテーション治療,特に理学療法では,歩行に関する練習に多くの時間が費やされる3,4).脳卒中片麻痺者の歩行練習では,下肢装具を用いることが一般的であったが,近年では,国内外でさまざまなリハビリテーションロボットが開発され,使用されている.リハビリテーションロボットは,自立支援,練習支援,介護支援,認知/情動支援に分類すると理解しやすく,脳卒中の歩行練習に活用されるロボットは,練習支援に分類される5).諸外国の治療ガイドラインでは,歩行不能な脳卒中患者に対し,歩行練習支援ロボットを用いた歩行練習を実施することが推奨され6),本邦においても,脳卒中治療ガイドライン2021に発症後3か月以内の歩行不能な脳卒中患者に対して,歩行練習支援ロボットを用いた歩行練習を実施することが推奨されている7).
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