Japanese
English
特集 片麻痺上肢機能回復治療のエビデンス
上肢訓練支援ロボット
Robot assisted training for hemiplegic arm.
白石 純一郎
1
,
岩永 勝
1
,
佐伯 覚
1
,
蜂須賀 研二
2
Junichiro Shiraishi
1
,
Masaru Iwanaga
1
,
Satoru Saeki
1
,
Kenji Hachisuka
2
1産業医科大学若松病院リハビリテーション科
2産業医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, Wakamatsu Hospital of University of Occupational and Environmental Health
2Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
ロボット
,
片麻痺
,
脳卒中
Keyword:
ロボット
,
片麻痺
,
脳卒中
pp.329-333
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110078
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はじめに
脳卒中患者は,運動麻痺,感覚障害,失語症,構音障害などの多彩な臨床症状を呈する.特に運動麻痺(多くは片麻痺)は日常生活活動制限や歩行障害の原因となる.片麻痺では上肢機能は5~20%の患者しか完全には回復せず1,2),多くは上肢に障害が残存し補助的な使用に制限されるかまたは廃用手となり,利き手交換や片手動作訓練が必要となる.
片麻痺上肢に対するリハビリテーションにおいて,重要な要素の一つに訓練量があり,運動機能回復は十分な訓練量と相関するとの報告がある3).しかし,中等度~重度の片麻痺患者に十分量の訓練を実施するのは,患者ばかりでなく理学療法士や作業療法士にとっても身体的および精神的な負担は大きく,実際は診療報酬の限度から実施は困難である.
近年のロボット工学の進歩は目覚ましく,訓練の質を高め,十分量の訓練を提供し,治療成績を向上させる目的で,訓練支援ロボットの開発とその臨床応用が試みられており,機能障害レベルとして麻痺の回復や活動制限レベルとして日常生活活動の改善へ結びつくことが期待される.
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