講座 リハビリテーションにおけるロボットのいま・2
歩行練習ロボット
平野 哲
1
,
才藤 栄一
1
,
加藤 正樹
2
,
山田 純也
2
,
井元 大介
2
Satoshi Hirano
1
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
2藤田保健衛生大学病院リハビリテーション部
キーワード:
ロボット
,
歩行練習
Keyword:
ロボット
,
歩行練習
pp.845-852
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200326
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はじめに
リハビリテーション医療におけるロボットの活用は以前より注目されていたが,研究・開発が進み,臨床現場へも盛んに導入されるようになってきた.
リハビリテーションロボットは目的によって,表1に示す4種類に分類できる.
歩行に関するロボットは,自立支援と練習支援のどちらかに属するものが多い.自立支援ロボットに該当するものとして,例えば,筆者らが開発しているWearable Power-Assist Locomotor®(WPAL®)1-5)が挙げられる.完全対麻痺者の歩行再建を目指したロボットであり,両下肢の間に配置した内側股継手付き両長下肢装具に,両側の股関節・膝関節・足関節を制御するモータが取り付けられている.各モータが健常者に類似した歩行パターンを再現し,これに合わせて重心移動することで,完全対麻痺者であっても歩行器平地歩行を獲得可能である.WPAL®での歩行が自立するまでには,WPAL®を用いた歩行練習が必要であり,筆者らは専用の練習プログラムに則った歩行練習を行っている.しかし,WPAL®は,あくまでもロボットを用いての歩行再建を目的としたものであり,麻痺の改善や,WPAL®なしでの歩行獲得を目指したものではないため,練習支援ではなく,自立支援に分類される.本稿で扱う「歩行練習ロボット」は,「ロボットなしでの歩行能力向上を目指すロボット」であると定義し,練習支援ロボットについてのみ扱うこととする.
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