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特集 国際生活機能分類(ICF)の現況と問題点
福祉用具領域における活用
Application of ICF in assistive product field.
井上 剛伸
1
Takenobu Inoue
1
1国立障害者リハビリテーションセンター研究所
1Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
キーワード:
国際規格
,
福祉用具の分類
,
データベース
,
認知症
Keyword:
国際規格
,
福祉用具の分類
,
データベース
,
認知症
pp.205-213
発行日 2009年3月10日
Published Date 2009/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101460
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はじめに
「ひと,生活,もの」は,筆者の所属する国立障害者リハビリテーションセンター研究所福祉機器開発部のキーワードである.福祉用具は,それを利用する「ひと」,そしてその人の「生活」があって初めて役立つ「もの」としての価値を見いだすことができる.しかし,ひとの生活は非常に多様であり,それを確実に把握することは困難をきわめる.したがって,そこに合わせた福祉用具を考えることは,本当に大変なことである.福祉用具の分野では,この適合に関する議論を長年行っており,知識や技術も成熟しつつある1).
ところが,福祉用具は,リハビリテーション分野において,長年マイナーな分野として位置づけられていたことも事実である.やはり,医学的機能回復に力点を置くリハビリテーションでは,軽視されがちであった.その分,福祉用具の発展は,実際に障害を有しながら生活する利用者の要求による部分が大きかった.
初めて国際生活機能分類(ICF)をみた時の印象は,福祉用具が位置づけられていることへの驚きであった.WHOの国際分類のなかに,福祉用具がしっかりと位置づけられたことは,われわれにとってなんと力強いことであったことか.ICFは,「ひと」と「生活」を中心とした福祉用具の発展に大きく寄与している.
本稿では,人の生活機能の分類であるICFと福祉用具の分類を示す国際規格(ISO99992))の関連づけ作業を紹介し,福祉用具とICFの関係について解説するとともに,この分野でのICFの活用について概説する.
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