増刊号 精神科作業療法
第4章 精神科作業療法のフィールド
7 精神障害のある人への就労・就業支援
金川 善衛
1
,
芳賀 大輔
2
Zene Kanagawa
1
,
Daisuke Haga
2
1茨木病院デイケアセンター
2NPO法人日本学び協会ワンモア豊中
pp.885-892
発行日 2020年7月20日
Published Date 2020/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202197
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はじめに
筆者(金川)は,精神科医療法人にてOTとして,精神科デイケア3年,就労移行支援事業所11年,現在は再び精神科デイケアに勤務している.この間,医療から働く職場まで,就労支援にかかわる現場をおおむね経験をしてきた.精神障害者を取り巻く一般就労の状況がここ10年で大きく変化していることは,筆者だけでなく,臨床にかかわる人間の多くが感じていることである.担当している方から「働きたい」という気持ちを聞いたとき,「病状が悪くなるからやめておいたほうが……」と言っていた時代から,「どうやったら実現できるだろう」と共に考える時代へと変わった.すべてがそうとはいかないかもしれないが,当事者自身が前向きに考えることができるようになり,OT自身もそれに前向きに向き合うことができるようになった.この背景には,ダイバーシティー等,社会情勢の変化,制度や施策の拡充,社会資源の増加,支援技術の向上等,さまざまな要因が重なり合って,急速に変化を遂げてきたことがある.先述したことに触れながら,精神障害者の就労支援の実際を説明し,OTに何ができるのかを述べたい.
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