増刊号 精神科作業療法
第4章 精神科作業療法のフィールド
8 加齢に伴う心身合併症のある人への支援
苅山 和生
1
Kazuo Kariyama
1
1社会福祉法人和来原会やっさ工房にしまち
pp.893-898
発行日 2020年7月20日
Published Date 2020/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202198
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はじめに
精神科に限らず,作業療法の対象者には合併する疾患が複数になることは少なくはなく,そのような状態を複合慢性状態(multiple chronic conditions)と呼ぶ1).病院や専門職の機能分化が加速する今,このような複数の疾患を合併する患者に対する連携のモデルを図 1のように捉えることができる.縦列モデルは優先度の高い問題(疾患から)から順次専門的対応を行い,並列モデルは複合的な問題に対し,専門的な対応が同時進行する2).OTが出会う対象者の多くは,心理面,身体面のいずれかのみの障害ではない.本稿で述べる複合疾患のある人への対応を意識し,チームで,場合によっては1人で並列モデルによりかかわることもある.本稿では,精神疾患,身体疾患いずれか,あるいは両方に複数の疾患が重なる事例の作業療法についてまとめる.
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