連載 精神保健福祉に関する支援とサービスの活用・第5回
精神障害者の就労支援
井出 学
1
Manabu Ide
1
1医療法人社団光生会平川病院デイケア
1Department of Psychiatric day care, Hirakawa Hospital
キーワード:
活用できる法令制度・社会資源
,
医療機関の役割
,
自己理解
Keyword:
活用できる法令制度・社会資源
,
医療機関の役割
,
自己理解
pp.1381-1384
発行日 2022年11月10日
Published Date 2022/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202671
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
以前,精神障害者が働く場所といえば小規模作業所や授産施設など選択肢は限られていた.そこには家族や一部の関係職員が草の根的に築き上げてきた歴史がある.現在は障害者総合支援法や障害者雇用促進法等により就労に向けて訓練できる場所が増え,雇用率も上昇し,障害者差別禁止と合理的配慮など精神障害者が働く環境を整備する動きも進んでいる.精神科治療においては薬物療法の開発・発展,認知や行動面に焦点を当てた治療・リハビリテーションの隆盛,社会的には脱施設化や経済低迷といった時代の流れなど,さまざまな要素が相俟って精神障害者の就労に対する機運はさらなる高まりを見せている.しかし病気・障害と向き合いながら働くことに困難さを感じる方が未だ多くおられるのを医療現場の実践からは感じる.本稿では,就労支援にかかわる法律と制度,そして社会資源について概説するとともに,精神障害者が働き方を模索する際に医療機関が果たす役割について論ずる.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.