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特集 これからの作業療法士を育てる臨床教育
これからの作業療法臨床実習—クリニカル・クラークシップに基づく重点的な課題への取り組み方
Occupational therapy clinical training vision for the coming age: How to tackle priority issues based on clinical clerkship
小林 幸治
1
Koji Kobayashi
1
1目白大学
pp.618-623
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202143
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Key Questions
Q1:私たちの社会に求められる作業療法士の教育キーワードは何か?
Q2:学内教育と臨床教育を連動させるためのポイントは?
Q3:養成校と実習施設の連携を進めるためのポイントは?
はじめに:作業に焦点を当てた実践を学ばせ,経験させる,これからのOTを育てる教育
1.「作業療法士」という専門職の養成教育が目指すもの
一昨年,英国の作業療法教育事情を視察するためQueen Margaret University(QMU)を訪ねた際,社会の財産となる一人の専門職(OT)を育成することの価値を非常に高く捉えている姿勢に感銘を受けた1).また,その際,教育キーワードとしてsocial inclusionやhealth promotion等が挙げられていた.背景に,英国ではOTが疾病管理から生活支援まで幅広くかかわる2)事情があると思われる.
それに対し,私たちの教育キーワードは何だろうか.筆者は「作業に焦点を当てた実践」,「自立支援」,「多職種連携」を入れたいと思う.これらはそれぞれ,わが国での取り組みとして強調されている.日本作業療法士協会による作業療法の定義改定〔2018年(平成30年)〕3),地域包括ケアにおける自立支援の促進4),そして医療・介護の一体的な改革における多職種連携の推進5)がある.これからのOTには,これらのキーワードで表現されるOTに求められる役割の本質を,専門職としての見方をもって実践できる人となってもらいたい.
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