Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:医療機関の作業療法士における就労支援の現状は?
Q2:医療機関の作業療法士が就労支援を行うときに困っていることは?
Q3:就労支援を充実させるためのポイントは?
はじめに
近年,障害者等への就労支援について,医療機関における早期からのかかわりが期待されている1,2).実際,医療機関が早期から支援に関与することで,スムーズな職場復帰が可能になる等の効果も報告されている2,3).しかし一方で,医療機関に勤務するOTからは,就労支援に積極的にかかわることは難しいという声も上がっている.「病院の方針で長期的にかかわれない」,「1日に決められた単位数をこなさなければならない現状で,就労支援にかかわる余裕がない」,「経験がなく何から手をつければいいかわからない」というように,就労支援に興味や必要性を感じても,医療機関の方針や診療報酬制度等が壁となり,実際の支援に取り組むことは容易ではないのが実状である.
そこで筆者らは,OTが積極的に就労支援にかかわることができるよう,東京都作業療法士会において,2019年(令和元年)4月に「就労支援委員会」を立ち上げ,活動を開始した.活動の方針としては,研修会の開催等を通して,実際に就労支援に携わる会員や,関心をもつ会員の「輪」を広げ,現場の支援の充実に寄与することを掲げている.その第一段階として,2019年度の活動では,会員の就労支援へのかかわりの現状,委員会に対する要望についてアンケート調査を行った.
本稿では,そのアンケートの調査結果を基に,医療機関で働くOTが就労支援にかかわる現状と,OTが困難と感じる支援内容や課題について整理していく.そのうえで,OTが困難に感じていることについては,筆者のこれまでの経験4)を踏まえて支援のポイント等をお伝えする.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.