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特集 急性期からの就労支援
—医療機関における就労支援事例—高次脳機能障害をもち復職した事例から考える医療機関の作業療法士の役割
The role of occupational therapists in medical institutions considering the cases of returning to work with higher brain dysfunction
田中 由紀
1
,
酒井 弘美
2
Yuki Tanaka
1
,
Hiromi Sakai
2
1牧田総合病院
2東京工科大学
pp.529-534
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202117
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Key Questions
Q1:復職に挑む高次脳機能障害者にとって作業療法士の存在意義とは?
Q2:高次脳機能障害者の自己理解の支援のポイントは?
Q3:他機関との連携における作業療法士の役割とは?
はじめに
就労年齢にある高次脳機能障害者にとって,復職・就労はリハの最大の目標となることが多い.症状が複雑で,回復が長期にわたる高次脳機能障害者の就労支援には,医療機関から就労支援機関までの切れ目のない支援が必要であるとされる.しかし,医療機関と就労支援機関の連携には,多くの課題があることが指摘されている1,2).
当法人は東京都大田区に本院と分院,合わせて404床をもつ総合病院である.地域医療の中核病院として,急性期から在宅医療,予防医学等の包括的な医療体制を同一法人内ですべて完結し,垣根のない医療サービスを提供している.
筆者(田中)が勤務する本院では主に急性期医療と外来診療を受け持っているが,2014年(平成26年)から高次脳機能障害外来を設け,慢性期や他院で治療を終えた高次脳機能障害者の評価および地域生活支援を実施している.また,特に中途障害者の復職・就労については,OTである筆者が就労・社会参加支援担当のコーディネーターとして,地域の各支援機関と連携しながら支援を行っている.
今回はこれまでの経験から,医療機関におけるOTの就労支援とその役割について,事例を基に考察する.
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