Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
精神障害者の雇用状況
ハローワークの障害者相談窓口における障害者の就職件数1,2)は,2000年度28,361件(うち身体19,244件,知的7,414件,精神1,614件,その他89件)→2009年度45,257件(うち身体22,172件,知的11,440件,精神10,929件,その他716件)→2019年度103,163件(うち身体25,845件,知的21,889件,精神49,612件,その他6,168件)と,ここ20年間で急増している.2019年度の障害者の全就職件数の18.8%が「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(以下,障害者総合支援法)の障害福祉サービスである就労継続支援A型(注:A型は各種労働法規が適用されハローワークの職業紹介の対象になる)に就職しており3),ハローワークの就職件数がそのまま一般企業への就職に結び付いていないことに留意する必要はあるが,精神障害者の就職件数はこの20年間で30倍以上になり,2019年度は身体障害者や知的障害者の就職件数の2倍に達している.
「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下,障害者雇用促進法)では精神障害者を,① 精神障害者保健福祉手帳(以下,保健福祉手帳)所持者,② 統合失調症,そううつ病(そう病及びうつ病含む),てんかんの診断がある者と定義している.保健福祉手帳は発達障害や高次脳機能障害を含むさまざまな疾患が対象だが,精神障害者の就職件数に占める疾患別割合は,2008年7〜10月4):統合失調症48.7%,気分障害28.0%,てんかん8.2%,その他の精神疾患14.8%(うち発達障害約3%),2015年7〜8月5):統合失調症33.8%,気分障害41.0%,てんかん4.8%,その他の精神疾患20.4%(うち発達障害12.3%)であった.統合失調症の割合が減り,気分障害と発達障害の割合が増加しているが,いずれの時期も統合失調症と気分障害を合わせると全体の3/4を占めている.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.