連載 リハビリテーション医療における退院支援・第2回
在宅復帰支援システム
槌田 義美
1
Yoshimi Tsuchida
1
1社会医療法人令和会熊本リハビリテーション病院
キーワード:
退院支援
Keyword:
退院支援
pp.707-712
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202272
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回復期リハビリテーション病棟から自宅への退院を間近に控えた患者は,これからの在宅生活に不安を抱くことが多い.身体能力が入院前より低下した状態で生活環境に適応することや,家族内役割の変化,家族の介護問題など患者・家族とともに退院後の生活に戸惑いを感じる.また新型コロナウイルス感染症拡大防止対策による面会や試験外出・外泊の制限で,家族は介護について十分に理解できず,患者・家族間の意思疎通を図る機会が足りない状態で退院を迎えてしまうことも懸念される.
熊本リハビリテーション病院(以下,当院)では在宅復帰支援システムを作り,患者・家族が不安を抱えることなく,安心して在宅生活を送れるように,入院時より在宅生活に向けた課題解決に取り組んでいる.在宅復帰支援システムは,患者が退院後も再び住み慣れた地域で安心安全な生活が送れるように,患者・家族にかかわる専門職種や医療・介護・福祉の関係者が連携を図り,入院時より在宅生活まで包括的に支援する取り組みである.時期に応じて入院時カンファレンス,入院時訪問,退院前訪問,試験外出・外泊,退院前カンファレンス,退院時指導(患者・家族),退院後訪問,退院後カンファレンス,退院後6か月フォロー(電話調査)が行われている(図1).
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