連載 作業療法を深める ㉜民俗学
民俗学でみる病
畑中 章宏
Akihiro Hatanaka
pp.992-995
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201834
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“まじない”にすがる人びと
古代から中世・近世までの日本では,病気は目に見えない存在により,もたらされるものだと信じられていた.なかでも流行病や治療が困難な病は,もののけや怨霊,悪鬼によるものだとされた.そのため病気で苦しんでいるときでも,まじないに頼ったり,神仏に祈って病魔を退けようとしたのである.
民俗学者の柳田國男は,太平洋戦争が始まったころ,神奈川県の多摩丘陵の村里を歩いているときに,住民が設えたこんなまじないを目にした.
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