講座 ICT,AI,ロボットを活用した作業療法・第2回
多様化する道具を活用した作業療法の実践—AIスピーカー,ロボットを用いた支援事例の報告
渋谷 亮仁
1
,
植田 友貴
2
,
田中 勇次郎
3
Akihito Shibuya
1
,
Tomotaka Ueda
2
,
Yujiro Tanaka
3
1国立病院機構西新潟中央病院
2西九州大学
3東京都作業療法士会
pp.986-991
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201833
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はじめに
近年,情報通信技術(information communication technology:ICT)と称される製品やシステムが目覚ましい進化を遂げている.パソコン(以下,PC)のみならず,スマートフォンやAIスピーカー等,ICTは新たな道具の概念をわれわれの生活に深く浸透させてきた.それに伴い支援技術も過去10年間で著しく進歩し,障害者や高齢者を含む多くの人々にとって利用しやすくデザインされた製品がいくつも世に送り出されている.たとえば,モノのインターネット(internet of things:IoT)を活用した居住環境のスマートホーム化は,従来あった環境制御装置の機能を代替し,ロボット分野は障害者のテレワークといった新たな雇用形態を提案するまでに発展した.これらは人口減少時代にあるわが国において,内閣府が提唱している「Society 5.0」1)への過程で示されてきた可能性の一つでもあり,その発展にはリハを究めるOTとしても注目すべきものがある.本稿ではAIスピーカーやロボットをOTが活用することで生活行為向上に効果を得た2事例を報告し,その支援方法の一部を紹介する.
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