特集 10年後に活躍できるOTを育成する—未来に向かう養成校教育
扉
佐藤 善久
1
,
澤 俊二
2
,
中村 春基
3
1東北福祉大学
2金城大学
3日本作業療法士協会
pp.527
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201713
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特集にあたって
作業療法の発展においては,時代の文脈(背景)を考慮した作業療法教育が重要な使命をもつ.日本の作業療法における50数年の歴史の中で,順調に量的拡大を果たし,医療職としての社会的な役割を果たしてきたが,少子高齢化や経済状況の変化,社会ニーズの変化に伴う社会保障制度改革等により,作業療法の発展に大きな影響を与える変化が生じている.近年,社会変化を考慮した作業療法教育の見直しがなされ,2016年(平成28年)には世界作業療法士連盟の作業療法士教育最低基準が,2018年(平成30年)には厚生労働省の理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則および指導ガイドラインが改訂され,作業療法教育の新たな時代を迎えた.さらに,学生の特性の変化や作業療法が目指す方向性を考慮し,教育方法論の変更も必要とされる.
本特集は,10年後に活躍できる人材育成のための教育を議論するもので,まず国内外の2つの教育基準改訂の概要・教育事情の変化を考慮した教育水準等を,さらにアクティブ・ラーニングとICTや学習環境を活用した教育について説明いただいた.また,人々の「作業権」を守る専門職として教育においても機能ベースから「作業ベース」への移行を進めつつ,最良のエビデンスに基づく実践が展開できるOTの育成が重要と考え,その視点をご紹介いただいた.最後に,「作業療法参加型臨床教育」についてその視点と実際,その教育効果についても述べていただいている.
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