ひとをおもう・第6回
物語を尊重する
齋藤 佑樹
1
1仙台青葉学院短期大学
pp.1082
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201455
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まだ昼休みが終わったばかりの作業療法室.一番奥にある評価室では,Tさんが初回面接を始めました.クライエントは軽度の右片麻痺と認知症を呈したイチロウさん.「会社の社長を長年務め,今でも部下に慕われている」,「大地主のため,会社を引退した後も毎日忙しくしている」,「孫の宿題をみてあげることが毎日の楽しみだった」イチロウさんは面接の中で過去の作業歴を楽しそうに話してくれました.
面接評価の翌日,イチロウさんの妻がお見舞いにやってきました.Tさんは,昨日の面接でイチロウさんが話してくれた内容を妻に伝え,作業療法の時間を通して,認知症を抱えながらも以前のように皆に慕われ頼られる生活を送ることができるよう支援していくことを伝えました.
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