講座 自助具知識のupdate・第5回【最終回】
片麻痺に対する自助具活用の情報提供—「片手の生活アイデア集」の紹介
石川 哲也
1
Tetsuya Ishikawa
1
1済生会神奈川県病院
pp.432-437
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201276
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はじめに
脳卒中等により片麻痺を呈した場合,片手のみでの生活を余儀なくされることがあり,それに対する有効な支援方法の一つは,自助具の活用である.しかし臨床現場において,自助具が十分に活用されているかについては懐疑的な意見がある.林1)は入院期間の短縮により徒手的アプローチや動作練習が優先されることで,自助具を作製する頻度が低下していると指摘している.松本ら2)は,訪問リハ利用者における福祉用具,自助具の購入品を調べたところ,自助具の購入割合が予想以上に少なかったと報告している.筆者も自助具を活用した支援は十分でない印象をもっており,職場環境や時間的制約等の影響が大きいと考えている.しかし,このような社会的状況を大きく変えることは難しく,また個人の努力のみに頼ることにも限界がある.そのため自助具を活用した支援を効率よく提供するための体制づくりが求められる.
そこで今回,自助具の活用における課題を整理するとともに,筆者を含む当院OTが取り組んだ効果的な情報提供の工夫を紹介する.
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