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特集 多様な生き方と働き方を支援する作業療法のあり方
がん患者への就労支援—ネガティブ・ケイパビリティ(negative capability)を根底に据えて
Employment support for cancer patients: Underlying the negative capability
澤 俊二
1
Shunji Sawa
1
1金城大学
pp.231-237
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201214
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Key Questions
Q1:がん患者への就労支援とは?
Q2:復職(両立支援)コーディネーターとは?
Q3:ネガティブ・ケイパビリティ(negative capability)とは?
はじめに
戦後70年以上,ポジティブ・ケイパビリティ(問題解決能力)1)を根っこに据えて,わが国は世界の先進国の一つとして,戦争をすることなく歩んできた.しかし,少子化・高齢化,人口減少社会を迎えた今,将来への不安が前面に出ている.この不安感を少しでも払拭しようと国が打ち出してきた政策の一つが,「一億総活躍社会」の実現である.全国のインフラを整備し,女性の活躍できる社会を実現,高齢者の再雇用とともに,病気を治療しつつ就労を継続できる社会の構築が大きく謳われた2).いろいろと批判のある政策ではあるが,現状を変えようという強い意志をもち,行動を起こすのはわれわれ当事者である.
ここでは,がん患者への就労支援について,改正がん対策基本法,治療と就労の両支援コーディネーターの創設とOTのかかわり,そして,筆者自身の体験も交えて,就労支援に,ポジティブ・ケイパビリティではなく,ネガティブ・ケイパビリティ1)を根底に据える意味を述べる.
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