特集 いま,改めて考える「組織倫理」 新型コロナウイルス感染症対応で,看護管理者に問われたものとは
コロナ禍を振り返る—患者・職員を護る倫理的組織運営とは
患者の生活支援を中心に据えた倫理的組織—看護の本質を中心に据え,状況に応じた柔軟なマネジメントを
浅香 えみ子
1
1東京医科歯科大学病院
pp.32-35
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202305
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東京医科歯科大学病院では,2020年4月に新任の病院長と看護部長が就任。新型コロナウイルス感染症対応の始まりと新体制による組織マネジメントの開始時期が重なった。また,新型コロナウイルス感染症対応の中で急性期医療などの特定機能病院として提供していた高度な医療が一時的に停止することで,「患者の生活支援」という看護の本質をあらためて意識する機会となった。これが,看護部全体の実践やマネジメントの基本となり,より倫理的な組織となるための共通の目的となった。浅香氏は「目的を見失わなければ,到達するための方法は問わない」とし,現場の状況や特性を踏まえたマネジメント,看護実践をしてほしいと願う。画一的でないマネジメントや実践が,倫理的な看護にもつながる。
本稿では,本誌2020年9月号特集「危機のマネジメント」以降の同院の看護実践を振り返りながら,倫理的な組織のありようを考察する。
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