特集 問題解決志向に疲れたら……
【インタビュー】答えの出ない事態に耐える力:ネガティブ・ケイパビリティが支えるもの─帚木蓬生先生に聞く
帚木 蓬生
1
1通谷メンタルクリニック
pp.268-273
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200955
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これからの医療に求められるネガティブ・ケイパビリティ
─先生は書籍『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』で,教育が問題解決に傾きすぎている問題点などを指摘されていました。看護教育にも,とても重要な示唆が含まれているように感じています。まず,ネガティブ・ケイパビリティとはどういう意味ですか。
帚木 ケイパビリティ(capability)つまり能力というと,ふつうは,何か問題をさっと解決していく力のことをイメージされると思います。しかし,ネガティブ・ケイパビリティは,むしろ問題を解決できない状態,答えの出ない事態に耐えていく力のことを指しています。単純に言えば「もちこたえている力」です。
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