Japanese
English
特集 多様な生き方と働き方を支援する作業療法のあり方
うつ病とうまくつき合いながら仕事・生活をすること—青年期を中心に
Living well with depression focusing on young adult
髙橋 章郎
1,2
Akio Takahashi
1,2
1首都医校
2NPO法人ルーツ・ユアセルフ
pp.238-242
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201215
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Key Questions
Q1:働く世代でうつ病は増えているのか?
Q2:うつ病に対する作業療法のメインターゲットは?
Q3:就労支援や復職支援の目標は就労と復職を果たすことのみなのか?
はじめに:うつ病は増えているのか
うつ病とは非常に多様性のある状態像である.老若男女あらゆる年代で発症する可能性があり,他の精神疾患や身体疾患を基盤として前景化してくるうつ病,うつ状態もある.再発率も高く,約7割に再発がみられ,その後も再発を繰り返すという報告1)もあり,慢性疾患として認識する必要がある.加えて,社会情勢や経済状況の影響も受けやすい.2014年(平成26年)時点での患者調査2)では,気分(感情)障害(躁うつ病を含む)の総患者数は約111万6,000人と過去最多を更新している(図1).2008年(平成20年)に初めて100万人を突破し「国民病」と評された後も高水準で経過しており,予断を許さない状況が続いている.
本稿では,まず一般企業の働き盛り(青年期:20〜40代)におけるメンタルヘルスの概要を確認する.次に,うつ病治療における作業療法の役割を確認し,うつ病とうまくつき合いながら,仕事,生活をする青年期の2名を紹介する.最後に多様な生き方と働き方を支援する作業療法のあり方について筆者なりの考察を加える.
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