Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Key Questions
Q1:作業療法における仕事・活動とは?
Q2:“そのひとらしさ”とは?
Q3:軽度知的障害のある方への就労支援に必要なこととは?
はじめに
2016年(平成28年)6月2日に政府は,“女性も男性も,お年寄りも若者も,一度失敗を経験した方も,障害や難病のある方も,家庭で,職場で,地域で,あらゆる場で,誰もが活躍できる,いわば全員参加型の一億総活躍社会を実現する”という「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定した.
プラン実現の要件として,「働き方改革」,「介護離職ゼロ」,「地域共生社会の実現」等,具体的な施策を提案している.「働き方改革」では不合理な待遇差の是正や継続雇用を謳い,「介護離職ゼロ」に関しては,障害者,難病患者,がん患者等の活躍支援として,希望や能力,障害や疾病の特性等に応じて最大限活躍できる環境を整備するため,就職支援および職場定着支援,治療と職業生活の両立支援の推進を表明している.さらに活躍支援とは,就労にとどまることなく,障害者のスポーツ,文化芸術活動の振興を図り,障害のある子どもも障害のない子どもと可能なかぎり共に学べる環境としている.
就労支援については,プラン決定に先立ち,同年4月に改正障害者雇用促進法を施行し,障害者に対する差別の禁止,障害者の積極的な社会参加を後押しするための合理的配慮義務を明文化している.障害者も公平平等に就労機会が提供されること,企業にはその工夫や保障に向けた努力,自主的な苦情処理,紛争解決援助の整備が求められている.
これらの動きは,子ども,高齢者,障害者等,すべての人々が暮らし,生きがい,地域を共に創り,高め合うことができる「地域共生社会の実現」を目指すものである.いわゆるダイバーシティ社会を前提にあらゆる住民が役割をもち,支え合いながら,自分らしく活躍できる地域コミュニティの育成等の推進につながるものと期待され,当然,知的障害のある方もその一員である.
Copyright © 2018, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.