連載 認知症の人とその家族から学んだこと—「……かもしれない」という、かかわりの歳月のなかで・第7回
認知症の人の潜在能力(capability)に思うこと
中島 紀惠子
1,2
1新潟県立看護大学
2北海道医療大学
pp.790-791
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200798
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回復に向けられる権利ベースアプローチ
本誌9号に認知症の「回復」のことを少し述べたが、ある精神科医から「回復のあり方として『病が人間に座を譲る』という、いわば人間の回復を連想させます。それはrecoveringに向けた権利ベースのアプローチ(RBA:Rights-Based Approach)へとつながっていくのだと思います」と、真に的確なコメントをいただいた。
認知症当事者の権利ベース運動に限っていうと、2000年にクリスティーン・ブライデンらによる「認知症権利擁護・支援ネットワーク」が誕生した前後から進められてきた。2014年には、当事者のみの「国際認知症同盟」が組織化され、翌年には「障害者人権条約」の批准(2006、国連)」の適用範囲に認知症を加えることを国連に訴えている*1。国内では、この連盟組織メンバーが個々に当事者との交流をもっていると聞いている。
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