連載 作業療法を深める ⑭認知症にやさしいまちづくり
社会的課題としての認知症—認知症にやさしいまちづくり
河野 禎之
1
Yoshiyuki Kawano
1
1筑波大学ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター ダイバーシティ部門
pp.62-66
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201165
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認知症にやさしいまちとは
「認知症にやさしいまち」や「認知症の人にやさしいまち」という言葉は,多くの自治体や団体,会議等で用いられることから,高齢者/認知症領域にかかわる人にとって,見聞きする機会が多い言葉であろう.しかし,この言葉は聞こえがいい一方,非常に抽象的であり,具体的にどのような状態を指すのかは多くの人において共有されていない.では,認知症にやさしいまちとはどのようなまちを意味するのであろうか.
認知症にやさしいまちは,世界的には“Dementia Friendly Community”とされ,最近10年間で急速に世界に広まった概念である.最も先駆的に取り組みを進める英国のアルツハイマー病協会(Alzheimer's Society)は,図1のようにDementia Friendly Communityを表現している1).
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