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特集 精神科デイケア—現状とこれから
統合失調症を中心としたデイケアでの実践—京都府立洛南病院の場合
Practices at a dayhospital of the Kyoto Prefectural Rakunan Hospital for patients with schizophrenia
岩根 達郎
1
Tatsuro Iwane
1
1京都府立洛南病院リハビリテーションセンター
pp.1260-1266
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201128
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Key Questions
Q1:統合失調症中心のデイケアはどうあるべきか?
Q2:具体的なプログラムはどのようなものか?
Q3:どのような点に配慮して実施すべきか?
はじめに
精神科デイケアは,運営母体のスタイルや,地域からの要請等によって,さまざまな役割が期待されて存在している.どういった役割であれ,リハ施設としてのデイケアは患者さんの役に立つものでなければならない.患者さんの主観的幸福と真摯に向き合うこと,精神科医療に対してjusticeという視点でモニタリングし続けることが重要だと筆者は感じている.人は慣れることができる生物であり,OTも習慣化することで日々の作業(業務)を容易に行えるようにもなる.しかし,ややもすれば無批判にルーティン業務を実施することにもなってしまう.自分が作業療法として行っていることが,何につながり,どうなっていくのか,患者さん個人だけでなく,組織だけでもなく,これからの精神科医療の未来を考えていく中で,どのようにしていくべきなのかのメンテナンスを欠かしてはならない.
今回は,統合失調症を主な対象としたデイケアである京都府立洛南病院(以下,当院)精神科デイケアの実践を紹介し,いわゆる「移行型」や「通過型」と呼ばれる精神科デイケアを実施していくポイントを考えたい.
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