グラフ
一人ひとりが自分の生きかたで—京都府立洛南病院における活動療法
亀山 美知子
1
,
本誌編集室
1京都市立看護短期大学
pp.328-333
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921683
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京都市の南,ベッドタウンとでもいえる宇治市にある京都府立洛南病院(院長・小池清廉).ここにいる人たちの顔にはどこかのびやかさがある.訪れて来る人たちが,もしも,そこに背を丸めながら歩いている人に声をかければ,人なつこい笑顔と挨拶が返ってくるだろう.精神科病院といえば,暗い.鉄格子のある風景をイメージしやすいものだが,この病院にはそんな雰囲気は,微塵もない.
病院の中枢ともいえるソーシャルセンターへ行くと,入院中の人がデイ・ケアの人などといつも歓談している.ほとんど開放化されている病棟からやって来る彼らは,アパート退院している人たちから,生活の体験談を聞く.この,あまりにも日常的な会話の中から,退院への意欲や忘れ去られた社会感覚を取り戻す.
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