増刊号 上肢・手の機能と作業療法—子どもから大人まで
第3章 疾患別 上肢・手の困難事例へのアプローチ—具体的介入例とポイント
5 パーキンソン病
阿瀬 寛幸
1
,
萩原 幸子
1
,
吉澤 卓馬
1
,
保苅 吉秀
1
,
藤原 俊之
2,3
Hiroyuki Ase
1
,
Sachiko Hagiwara
1
,
Takuma Yoshizawa
1
,
Yoshihide Hokari
1
,
Toshiyuki Fujiwara
2,3
1順天堂大学医学部附属順天堂医院
2順天堂大学医学部附属順天堂医院リハビリテーション科
3順天堂大学リハビリテーション医学
pp.765-771
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201000
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はじめに
パーキンソン病は,無動,固縮,振戦,姿勢反射障害の4大徴候を主症状とする進行性の変性疾患であるが,近年では大脳基底核と大脳皮質や小脳との関係から考えられる高次脳機能障害等の上肢機能に影響を与える非運動症状についても多く報告されている1〜3).また,上肢機能に関しては,上記症状によって,手や上肢の力の産生の低下や,対象物を持ち上げるまでの時間の延長,プレシェーピングの障害,書字障害が出現し4),日常的に手の使用が減少し,二次的に手の力や巧緻性が低下することが知られている.今回,パーキンソン病の特徴と「生活行為における上肢機能」について,われわれの実践も併せて報告する.
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